じんましんのかゆみを止めたい

じんましんは、かゆみを伴う皮膚疾患で、
皮膚が炎症を起こして赤く盛り上がります。

 

ポツポツと赤い小さな斑点が出たり、
斑点がつながるものもあります。

 

ただ、じんましんの症状は、数十分から数時間で消えることが殆どで、
夜、寝る前に症状が出ていたとしても、
朝、起きたときには、もう跡形もなくなっていることが多いです。

 

ですが、かゆみが強い場合、またはじんましんが頻繁に出る場合は、
早めに皮膚科を受診しましょう。

 

じんましんは、表皮に炎症がおこるのではなく、
真皮が炎症を起こします。

じんましんが起こるメカニズム

じんましんは、血中のヒスタミン濃度が上がることから始まります。

 

ヒスタミン濃度が上がる理由は、大きくわけると
「アレルギー反応」と「ヒスタミンの過剰摂取」の二つです。

 

・アレルギー反応

 

アレルギーを起こす食品(アレルゲン)を誤って摂取すると、
腸管で吸収され、血中のマスト細胞とクロスリンクします。

 

すると、脱顆粒が起こり、ヒスタミンが放出されます。

 

さらに血管から真皮に浸潤したマスト細胞からも、
ヒスタミンが分布されます。

 

また、疲れたときに、ヒスタミンを多く含むさばやソバ、
筍などをたくさん食べると、じんましんが起こることがあります。

 

食品中に含まれるヒスタミンは、腸管で吸収されると、
血流に乗って皮膚に到達します。

 

すると、表皮真皮境界部のヒスタミンレセプターに結合し、
興奮がC線維を駆け上がるのでかゆみが伝わります。

 

同時に軸索反射が起こり、サブスタンスPを介して、
皮膚のマスト細胞がさらに脱顆粒して増幅されるので、
どんどんかゆみが広がっていきます。

 

じんましんのヒスタミン・トリプルヒスタミンが血中で増えると、
以下のような状態になります。

 

・細静脈収縮(さいじょうみゃくしゅうしゅく)

 

 真皮の中の、毛細血管が集中してできる細い静脈である小静脈が縮む。

 

・細動脈拡張

 

 小動脈が開く。

 

・血漿成分の漏出

 

 真皮の毛細血管内圧が上がり、血漿成分の漏出が盛んになる。

 

この状態を、「じんましんのヒスタミン・トリプルレスポンス
(じんましんのヒスタミンによる三つの憎悪反応)」といいます。

 

じんましんの治療のときに、ステロイドを使わない理由は、
このメカニズムを考えると良く分かります。

 

まれに内科や小児科で、じんましんにステロイドが処方されることがありますが、
それはあまり意味のないことです。

じんましんにステロイドは効果なし!

じんましんの治療のためにステロイドを塗っても、あまり効果がありません。

 

じんましんのかゆみが強く、
かきすぎてしまって表皮が炎症を起こし傷ついている場合は、
効果が期待できるかもしれません。

 

ですが、じんましんのメカニズムを考えると、
やはりじんましんにステロイドの効果は期待できないと考えるべきでしょう。

 

ただし、緊急外来に救急車でやってくるような、
じんましんで気道閉塞を起こし、呼吸困難になっているような
患者さんには、多量のステロイド剤を静脈注射します。

 

内科や小児科で、じんましんのときにステロイドが処方されたら、
その医師には注意すべきです。

 

じんましんにステロイドを処方するという子とは、
皮膚の炎症には、ステロイドを塗っておけば良いと簡単に
考えている証拠です。

 

じんましんを治すには、抗ヒスタミン剤を飲むのが最も良い方法です。

 

抗ヒスタミンを内服することで、
ヒスタミンがレセプターに結合するのをブロックすることができます。

 

そうすれば、じんましんが起こる原因がなくなるので、
かゆみはおさまり、じんましんも治ります。

 

酷い場合は、抗ヒスタミンの注射もよい方法です。

 

抗ヒスタミンは眠くなるので、飲みたくないという患者さんには、
外用の抗ヒスタミンを処方することもあります。

 

しかし、外用ではやはり効き目が遅いため、
眠くならないタイプの抗ヒスタミン剤を処方するのが良い方法であると
いえるでしょう。

 

また、じんましんのかゆみを抑えるためには、
「冷やす」ことも効果が期待できます。

 

間違っても熱い風呂に入り身体を温めてしまう事は避けましょう。