水虫を治す

水虫は、皮膚のバリア機能を担う角質層についたカビ(真菌)の感染症です。

 

真菌が皮膚の表面の角質層につくと、
リンパ球や好中球などの白血球が、
その異物を除去しようと皮膚の毛細血管から浸潤してきます。

 

すると、炎症反応が起こり、
小さな水疱ができ、ジクジクしてきます。

 

リンパ球や好中球などの白血球が皮膚の表面に浸潤してきて、
真菌を攻撃するための炎症反応が起きると、
ヒスタミンが放出され、インターロイキン1やTNF-αも分泌され、
かゆみが強くなります。

 

さらに、ヒスタミンレセプターからの刺激がC線維を駆け上がるので、
軸索反射も起こり、かゆみは広がっていきます。

 

このような水虫のかゆみは、皮膚炎によるかゆみであり、
真菌成分に対する接触皮膚炎ということができます。

 

ですが、水虫でも、まったくかゆみを感じない場合もあります。

 

このかゆみを感じない水虫とは「角化型の水虫」で、
高齢者や免疫力が低下するとかかるタイプの水虫です。

 

角化型の水虫の場合は、「免疫不応答」といって、
外部からの敵である真菌をリンパ球や好中球などの白血球が攻撃しないため、
炎症が起こりません。

 

炎症が起こらないため、インターロイキン1なども分泌されず、
ヒスタミンも放出されないため、かゆみを全く感じません。

 

ただ、角化型の水虫の場合は、皮膚の表面はカサカサに乾いており、
皮膚がボロボロになり、皮がむけます。

 

そして、免疫反応が起こらないので、
真菌はいつまでもその場に住み続けている状態になります。

水虫の治療

かゆい水虫も、かゆくない水虫も、行う治療は同じです。

 

かゆくない水虫も、治療をしなければなりません。

 

水虫は、周囲の人にうつります。

 

水虫は、皮膚最外層の角質に存在しますから、
この部分に抗真菌剤の塗り薬を塗ります。

 

炎症があまりにも酷いときは、いきなり抗真菌剤を塗るのではなく、
ステロイドが必要です。

 

自分で水虫だと思い、市販の水虫薬を買って塗ると、
かえってひどくなることがあります。

 

これは、抗菌剤を塗ると、急に真菌が死んでしまうのですが、
このときに免疫反応が起こり、そのときに生じた物質が悪さをするためです。

 

つまり、インターロイキン1やTNF−αだけでなく、
水虫を攻撃するためのリンパ球や好中球から放出された
そのほかの化学伝達物質が水虫を攻撃しながら、
強い炎症反応を起こすのです。

 

このように、治療をしたために返って悪くなってしまうということを防ぐためには、
まず、自分で判断しない事、
市販の水虫薬を適当に使わないこと、
皮膚科専門医で診察を受け、必要であればステロイドの外用をすることなどが必要です。

 

感染症にステロイドとは、意外に感じるかもしれません。

 

ですが、炎症が酷いままに、抗真菌剤を使えば、
症状はさらに悪化してしまいます。

 

まずはステロイドで炎症を抑えることが第一です。

 

炎症が治まったらすぐにステロイドを中止し、
効き目が弱いと感じても、刺激の少ない抗真菌剤の外用で
徐々に治していきます。

 

かゆみの全くない角化型の水虫の場合は、
最初から抗真菌剤を外用します。